面白い分析、つまらない分析、どうもいい話

小説・アニメ・映画などの、面白いとつまらないを分析するブログです。分析などと大層なことを言っていますが、アナリストでも何でもないので暇人が適当なことを備忘録としてつらつらと書いていくだけの、あれです。正確性は二の次です。記憶ガタリをすることもあるでしょう。後、どうでもいい話も挟みます。

乳と卵 川上未映子

 概要

 豊胸手術を受けようとしている巻子と、その子供で精神的な理由で口が聞けず筆談をする緑子。主人公は上京してきたこの親子を一時的に家に泊める。おっぱいとか卵子とか、生産者としての女について緑子を通じてあれこれ語られる。最後の方に、巻子が何かの理由で男親に会いに行って、その後、親子が卵を自身の頭にぶつけて割ってぐちゃぐちゃになるという妙なシーンがある。

 

 感想

 初めは方言などもあり、読みずらい文章だと思ったが、そのうちに味が出てきた。とはいえ、文字でぎっしりのページが多いのは、視覚的にいかがなものかと思う。生理的嫌悪感の演出なのだろうか。それとも、こういうスタイルか? 所々挟まれる緑子のノートが面白い。こういう語り口があったか。本編の後の短編も面白い。というより、こっちの方が好きかも。けばい女とティッシュ男の話。