青年のための読書クラブ 桜庭一樹
概要
五章の短編からなる聖マリアナ学園の語られぬ歴史の記述である。語り部はいずれも読書クラブに所属する部員たちであり、閉ざされた名門女学校を舞台にして起こった(起こした)浮遊感のある物語がクラブ誌につづられる。
面白い点
・聖マリアナ学園に起こった非現実の事件を耽美的な回りくどい文章で記述することで、女学校に相応しい上品な雰囲気が生まれていること。
・教育者が先生ではなく、シスターであり、勉強やテストなどという現実的な描写がほとんどなく、生徒主導のコミカル劇によって物語が進行すること。
つまらない点
・夢見小説の枠を出ないこと。
コンビニ人間もそうですが、こういったコミカルさは見習いたいですね。